希少本 図録本 現代家具の歴史 世界の名作椅子 現代家具 デザイン史 写真解説 380図版 ミヒャエル・トーネット 曲木椅子 シェーカーチェア ウィリアム・モリス アール・ヌーヴォー アントニオ・ガウディ フランク・ロイド・ライト オットー・ワグナー ロース アーツ・アンド・クラフツ 工作連盟 ウィーン派 デ・スティール インターナショナル・スタイル バウハウス
ミース・ファン・デル・ローエ ル・コルビュジエ スカンディナヴィアの家具 北欧家具 スウェーデン デンマーク
アルヴァ・アアルト フィン・ユール ヴィンテージ家具
カール・マング 著
安藤正雄 訳
ADA 発行
1979年
175ページ
約28.5x22.5x2.7cm
ハードカバー
モノクロ
写真図版 380図
※絶版
19世紀から1970年代までの、椅子/チェア/イスを中心とした家具の歴史を、
多数の写真や図版とともに年代順、種別に整理分類して解説。
写真はモノクロですが、普遍的な魅力を持つ世界の名作椅子・チェアをはじめとした写真・図版多数掲載。
380図の各図版には詳細な解説を付す。
また、各椅子や家具類がデザインされ流行した当時の、インテリアコーディネートの例も多数収録されており、
工業デザイン史、インテリアデザイン史の側面も併せ持つ内容。
インテリアデザイン、プロダクトデザイン、工業デザイン、家具デザイン、椅子/チェア、ヴィンテージ家具、等愛好家必携の、情報満載、大変貴重な資料本です。
【表紙・裏表紙】より
アントニオ ガウディ カーサ・カルベット 椅子 1903年 カルヴェ・アームチェア
ミヒャエル・トーネット ロッキングチェア No.7029
エーロ・サーリネン チューリップチェア 1948-1955年
オリヴィエ・ムルグ ジンチェア 1963年
チャールズ・レニー・マッキントッシュ ラダーバックチェア ヒルハウスチェア 1902年
ミース・ヴァン・デル・ローエ アームチェア 1927年
ヘリット・トーマス・リートフェルトの赤青椅子 1917年 ヘーリット・トーマス・リートフェルト
ル・コルビュジエの長椅子 シェーズロング 1928年
マルセル・ブロイヤー ワシリーチェア 1925年
チャールズ・イームズ ラウンジチェア 670 1956年
ハリー・ベルトイア スチールワイヤーチェア 1952年
トビア・スカルパ チェア 925 1966年 イージーチェア
ハンス J. ウェグナー アームチェア 1949年
アルネ・ヤコブセン エッグチェア 1958年
【Preface まえがき】より
本書は偏りのない公平な眼で現代家具史を編もうと狙ったものではない。むしろ私としては、過去150年間につくられたおびただしい作品の中からはかなく消えた流行以上のものとわかった傾向だけをためらわずに選び出したつもりである。
産業革命と社会構造の変化との関連、新しい社会階層の出現とそのニーズにふさわしいスタイルへの志向との関連、工業手段による大量生産の発展とそれに伴う社会勢力の勃興との関連、本書ではまずこうした設問から出発し、それによって家具デザインにおいて過去1世紀半という時代の諸相が果たした決定的な役割を浮彫にし、またそれらを特に現代の視点に供してみることにする。
この間には芸術や社会科学の分野で多種多様な理論展開がみられ、また建築家やデザイナーたちも急速に工業化しつつある社会のニーズに見合う住宅や家具を創造するべく、数多くの試みを提示してきた。こうした新しい思想の氾濫はすさまじいもので、その結果われわれは今や完璧にデザインされた人為的な環境の中で生活しているのだと信じて疑わないほどまでになっている。しかし、周知のように、これは事実ではない。大多数の人々は身の回りのすぐれた家具やデザインを未だ実感しておらず、ただ単に「キッチュ」の世界に生きているに過ぎない。それは関心や理解力、そしてたぶん知識が欠けているせいであろうし、とりわけ自らが得る効用を最大にしようとする欲求に欠けているせいであることは明白である。
本書に貫かれている視座とは次のようなものである。すなわち、本書は、創造的なデザインの偉大さよりも模倣の凡庸さにあまんじている人々や、本質を追求せずに小手先の細工を弄する人々に対する挑戦なのである。
本書は、このような主題に対してわれわれの眼を開いてくれた多くの美術史家や現代建築の理論家たちの論述、特に19世紀に関する論述なしにとうてい成立し得たものではない。巻末に掲げた文献は、細大もらさぬように心掛けたというわけではないが、建築家であれ家具デザイナーであれあるいは専門外の人であれ、本書に触れられていない家具デザイン史の問題をつきつめようという人たちには有効な示唆を与えてくれると思う。
もし本書によって、歴史主義的なノスタルジアからわれわれ自身の時代が提示すべき確固たる再評価へと人々の関心を向けることができたとすれば、それは多分にゲルト・ハッチェの功績によるものである。また、私は特に妻に謝意を捧げたい。彼女が私たちの設計事務所を盛りたててくれていなければ、私はこの仕事を完成させる時間などとうてい持ち得なかったに違いない。出版社およびオーストリア・フォルムゲーブンク・インスティテュートのシャルロッテ・ブラウエンシュタイナー博士には、草稿について貴重な御意見の数々を頂いたことを記して感謝したい。
【目次】
まえがき
時代の表現としての家具
19世紀の無名の家具-機械美学の先駆者たち
鉄製の家具
家具の機械化
キャヴァリの「カンパニーノ」 伝統的な形態の洗練
作者不詳の籠細工の椅子
ミヒャエル・トーネットと曲木の椅子
シェーカーの椅子:美は用に宿る
ウィリアム・モリスの理論と産業界の挑戦
アール・ヌーヴォー 歴史主義の克服
アール・ヌーヴォー以後 ガウディ、ライト、ワグナー、ロース
アーツ・アンド・クラフツから工作連盟へ コミュニティの理念
大戦の狭間とウィーン派
デ・スティールからインターナショナル・スタイルまで
デ・スティールの家具 理論の具体化
バウハウス 芸術、クラフツマンシップ、産業の総合
インターナショナル・スタイルの家具 ミース・ファン・デル・ローエとル・コルビュジエ ル・コルビュジェ
第一次世界大戦後のハウジング・プロジェクトと家具
スカンディナヴィアの家具 無名の家具から世界の銘品へ
スウェーデンにおける現代家具の発展
デンマークのチーク・スタイル
アルヴァ・アアルト 木の造形のファンタジー
第二次世界大戦後の家具デザイン
新しいテクノロジー アメリカ
インターナショナル・スタイルとその後
イタリアからの新風
プラスティック製の家具
椅子とテーブルからドメスティック・ランドスケープへ
未来への遺産としての教育
文献
索引
【掲載作品】一部紹介 制作年、制作会社/メーカー、解説
ミヒャエル・トーネット 曲げ木の椅子 No.14
シェーカーチェア
ワルター・グロピウス スタンダード・タイプの家具
マルセル・ブロイヤー スティール・パイプのクラブ・チェア
ジャンカルロ・ピレッティ プリアチェア
チャールズ・イームズ エーロ・サーリネン アームチェア
ハンス・J・ウェグナー ヨハネス・ハンセン チーク材に籐の座を組み合わせたアームチェア
アルネ・ヤコブセン エッグチェア
ジョエ・C・コロンボ エルダ1005
ワルター・ミラー 家具システム ポディウム3 インターリュプケ社
ほか多数