細やかな調整を可能とするL/R独立ゲインコントロール。

入力波形との相似形を正確に保ちながら、信号を美しく増幅する。これはパワーアンプの開発における永遠のテーマであり、それを追求する技術的アプローチは数限りなく存在します。「PRS-A700/A500」の回路設計において、その達成に最も大きく貢献しているのが電流帰還型増幅回路。一般的に用いられる電圧帰還型に比べ、高スルーレート、ワイドレンジ、低歪み等の特長をもつ増幅方式です。その優れた物理特性の中でも特に注目すべきなのが、圧倒的に高いスルーレート。これは入力信号の変化に対する追従の俊敏性を数値化したものですが、「PRS-A700/A500」では40V/μsecというオーディオアンプとして極めて高い値を獲得し、鋭い音の立ち上がりを実現。さらにこの回路がもつオーバーシュート/アンダーシュート（信号の上昇/下降が急に停止した時に、目標値を一瞬超えてしまう現象）の発生が少ないという特性により、入力信号に極めて忠実な増幅を可能としています。またこの回路方式では安定性の確保が課題とされますが、幾多にわたるコンピューターシミュレーションと試聴を経て、これを高いレベルでクリア。増幅段に採用されたクラスA増幅回路が高出力と低歪みを両立するとともに、MOS FETファイナルステージが高域特性と信号応答性を向上しています。これらの技術の集積が、電流帰還型増幅回路の卓越した能力を十二分に引き出し、高解像度・高分解能の音楽再生を実現しているのです。